インターネットの世界では、キーワードによる検索エンジンからの検索で多くの利用者がその恩恵を受けていることは、説明するまでもありませんが、「インターネット白書2005 (C) impress,2005」によると、じつに95.8%のインターネット利用者が何らかの形で検索エンジンを利用しており、半数以上は1日5回以上検索エンジンを使っています。
つまり、検索エンジンを制すれば、ほぼ間違いなく集客で波に乗ることができるわけです。
しかし、やみくもに検索エンジンで上位表示を目指したところで、あなたの持つ商品やサービスと見込み客が検索エンジンで検索に使うキーワードがずれてしまっていたら、せっかくの努力が水の泡となることは想像に難くないと思います。
前節の「マーケットを調査する」では、お客さんの思考やどのようなことで悩んでいるかをリサーチする点について説明しましたが、この作業がここで生きてくるのです。
お客さんや見込み客になったつもりで、どのようなキーワードを使って検索エンジンを使うかを創造してみましょう。そして、思いつくだけ紙に書き出すのです。もし、すでに既存のお客さんがいて、その方と直接話ができるのであれば、かなりラッキーです。どのようなことで、悩んでいてあなたの商品やサービスを利用したのか雑談でもしながら、訊いてみると良いでしょう。
このときにお客さんがどんな言葉を使っているかに十分に気を遣って下さい。
この手順を忠実に守って頂けたら、おそらく書き出したキーワードは20~30個くらいは出てくると思います。この数にまったく及ばないのであれば、もっと柔軟に発想してみて下さい。こんな言葉は違うだろうと思うようなことでもかまいません。
だいたいキーワード(くれぐれもお客さんが使うキーワードです)が出そろったら、実際にそれらのキーワードがどれくらい検索されているかをリサーチしてみます。PPC広告(Pay Per Click)最大手のオーバチュア社には、1ヶ月間にどのくらいキーワードが検索されたかを確認するためのツールで、キーワードアドバイスツールというものがあります。
使い方は検索エンジンと同じ要領で、空欄にキーワードを入れると、そのキーワードと一緒に使われた組み合わせのキーワードと検索された回数が一覧で表示されます。このツールを使うことで、これまでに書き出していたキーワード以外にも気づかなかった有効なものがいくつか発見できると思います。
これらの数値はぜひ、Excelに入力して活用して下さい。なぜそのような面倒なことをするのかというと、キーワードが検索された回数のデータを元にそのキーワードが有効かどうかを検証したいからです。
今の時点でわかっている数値は、あるキーワードが1ヶ月に検索された回数でしかありません。その検索された回数が、単純に多ければ良いのかというと、残念ながらそうではありません。当然のことながら多く検索されるキーワードは、メジャーなキーワードで誰でもすぐに思いつくキーワードです。
ということは、それだけライバルもたくさんいるということになります。あなたは、できるだけ競争が激しくない(しかし、需要はそこそこある)市場で勝負した方が、楽に商売をすることができるようになります。ですから、次のステップとしてそのキーワードの競争が激しいのか、そうではないのかを見極める作業が必要になります。
キーワードの競争が激しいかどうかは、ある公式に当てはめて計算します。数学は苦手という方も単純なかけ算と割り算だけですし、計算は数式を入れればExcelが勝手にやってくれるのでご安心下さい。
キーワードの競争が激しいかどうかを「キーワード有効指数(Keyword Effectiveness Index;略してKEI)」といいます。KEIは以下の数式で割り出されます。
この公式を見てみると、もし、検索数が非常に多くても競合他社(つまり検索結果の総ページ数)もさらに多ければ、KEIの数値は小さくなります。
逆に検索数はそれほどではなくても、競合他社が少なければ楽に集客をすることが可能になります。
つまり、KEIの数値が大きければ大きいほどそのキーワードは、あなたにとってのお宝となるのです。ライバルが参入してくる前に今すぐそのキーワードから集客して下さい。
アメリカでは、KEIの数値は、100以上あれば「良好」、400以上で「非常に良い」と判断していいようですが、日本の場合はまだアメリカほど激戦ではないので、3000以上のKEIにお目にかかることもしばしばあります。
いずれにしろ、思いついたキーワードはすべてデータを取ってその中から選んでいくと良いでしょう。
KEI概念は、「wordtracker.com」のヘルプページ(英語)を参照しています。
選び出したKEIの数値がどれも低いものだったとしても、あきらめる必要はありません。この数値はあくまでも競合他社が多いかどうかを判定するもので、あなたのライバルがみんな強者ばかりとは限りません。次の章では、ライバルの実力がどれくらいなのかをリサーチしてみましょう。